本ときどき旅

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うたの☆プリンスさまっ♪〜Shining Masterpiece Show 〜リコリスの森についてアラサー女子が考察してみた!

みなさん、こんにちは。

 

今日はShining Masterpiece Show

ラストを飾る『リコリスの森』が

発売されたので、早速考察してみました〜!

 

Shining Masterpiece Showの詳細はこちら↓

http://www.utapri.com/sp/sms/

 

第一弾の『Lost Alice』は配役が素晴らしかったと考察しております。

 

yakizakanateisyokun.hatenablog.com

 

 

第二弾の『トロワー剣と絆の物語ー』は考察はしていませんが、

聴いて、絵本も読みました。

 

そして、第三弾が今回取り上げている

リコリスの森』。

 

 

発売日の1ヶ月以上前から初回限定盤を予約し、

発売日にはお休みをとって早速聴き、

絵本を読み、

プリツイ(プリンスたちのTwitter)を追うという、

贅沢な1日を過ごしました( ´ ▽ ` )

 

もうね………

ヤバかった!!!

 

いまだかつてない衝撃で、

聴いたあとは何もできませんでした。

 

灰になったというか、

リコリスの森で迷子になったというか…

 

とにかく、非常に考察のしがいがある作品でした。

 

ということで早速考察スタート!

 

現実世界でも行われたSMS企画展「リコリスの森」にも

行ってきたので、感想はこちらから↓

 

yakizakanateisyokun.hatenablog.com

 

 

*️⃣この先は盛大にネタバレを含みますので、閲覧は自己責任でお願いします!

 

 

 

お話のモチーフは「赤ずきん」。

 

舞台は森に囲まれた美しい村。

 

主人公のブラッド(一十木 音也)は

誰からも愛されるかわいい男の子。

彼は貧しいながらも兄と二人仲良く暮らしていました。

 

村には英雄ヴィクター(神宮寺レン)。

彼はブラッドを気にかけていて、

村の青年(来栖翔)曰く、

「ブラッドは特別扱い」なんだとか。

 

お話はブラッドのお家が借金していることがわかり、

取立屋のトッド(黒崎蘭丸)が

ブラッドを売ることを決めたところから動き出します。

 

要約すると、

兄に売られたブラッドが黒ずきんによって

ランドルフ(狼)と出会い、心を通わせる。

 

しかし、ランドルフが取立屋の一味と知り、

信じていた人達からの裏切りを知った

ブラッドがランドルフを殺し、

そのブラッドもヴィクターに殺される。

というお話。

 

要約してみたけど、

めっちゃ暗い!怖い!!

 

これだけでもかなりヤバイ作品であることが

伝わったと思います。

 

でもプリツイでキャストが語ったように

辛くて、悲しいだけのお話では終わりません。

 

希望もしっかりこもっているので、

ぜひとも絵本付きの購入をオススメします!

 

さて、キャラごとの考察。

 

まずは愛島セシル演じる、黒ずきん。

 

彼の正体については、

はっきりと語られることはありません。

何者なのか。

目的は何なのか。

 

私が思う、黒ずきんは

【自分の心の中に住んでいる、

天使と悪魔の悪魔のほう!】です。

 

例えるならダイエット中の私がケーキを目の当たりにしたとき、

 

天使「せっかく3キロ痩せたのに食べちゃダメだよ!」

 

悪魔「せっかく3キロ痩せたんだから、ご褒美に食べちゃえ〜!」

 

って心の中で葛藤しているときの

悪魔のほうです。

 

彼は人の欲望につけ込んで、

物語を大きく動かします。

 

彼の正体については

ブラッドの悪いほうの心かなと思ったり、

ブラッドの死んだ兄弟たちとも思ったり。

 

とにかく彼の正体については

様々な考え方ができると思います!

 

ただ1つ言えることは

彼は誰の心の中にも存在しているということ。

 

だからこそ、

みんな彼が現れても最初こそ驚きはするものの、

深くは追求しないんですよね。

 

そしてついつい自分の本心を語ってしまう。

 

それにしてもセシルの演技も大変良かったですね!

いつの間にやらすっかり日本語上手になっちゃって…( ˘˘̥ )

 

 

 

お次は神宮寺レン演じるヴィクター。

 

彼は村の英雄で、

村人たちから大変慕われています。

 

そして彼自身も自信家で、

自分の影響力をわかっています。

 

なのにブラッドは意外と彼にそっけないんです。

ヴィクター曰く、「素直じゃない」。

 

その理由は実は、

ヴィクターは自分の強すぎる虚栄心を満たすために

「かわいそうなブラッド」を助けてあげたいと思っている。

 

つまりヴィクターにとってのブラッドは

早くに母を亡くし、父に見捨てられ、

病弱な兄に縛られている、かわいそうな子。

 

そんな子を自分が気にかけて、特別扱いすることで、

自分は村人たちから信頼され、更に頼りにされ、

より英雄になれると思っているんです。

 

このことから

ヴィクターは欲深い人間の象徴である

キャラクターだと考えられます。

 

そして物語のラスト。

 

豹変したブラッドを前に、

ヴィクターは思わず銃の引き金を引いてしまいます。

 

この後のヴィクターのことを考えると、

村人たちに可愛がられていたブラッドを手にかけたことにより、

今までの信頼は崩れていき、

とてもじゃないが英雄扱いはされないでしょう。

 

せっかく築いてきた地位は崩れてしまう。

欲深い人間の悲しい末路を見事に体現しています。

 

しかし私はヴィクターは

ブラッドを見下していたという感情だけで、

接していたわけではないと思います。

 

もちろんかわいそうで、

ヴィクターのほうが上にいたことはわかっていたと思いますが、

本当にお兄さんのような気持ちで、

守ってあげたいと思っていた心もあると感じました。

 

だってブラッドがカミュ

「取立屋の一味では?」と言われたとき、

疑う素振りもなく、

瞬時にブラッドを庇っていたのだから。

 

ただ少し、

ブラッドを子ども扱いし過ぎていたのでしょう。

 

ブラッドの考察で語りますが、

みんなが思うほど彼は子どもではありませんでした。

 

 

 

お次は一ノ瀬トキヤ演じるランドルフ

 

こちらは赤ずきんの狼に当たるキャラクターです。

 

リコリスの森に迷い込んだプリンセスの多くは

彼のビジュアルにやられたのではないでしょうか?

 

「あのクールビューティートキヤがケモミミ…だと!?」

 

控えめに言ってもランドルフの衣装は最高です。

 

半人半獣であるランドルフ

見世物として過ごした過去を持ち、

その後、藍ちゃん演じるマーリンによって助け出され、

蘭丸演じるトッドさん取立屋一派に加入します。

 

しかし取立屋での仕事も

ずいぶんと酷いことをやらされていたようで、

ランドルフは完全に生きることに疲れており、

幸せになることを拒絶していました。

 

そんなランドルフがブラッドと出会い、

忘れていた人の温もりを思い出します。

 

たった一晩の出来事でしたが、

それはランドルフにとって

かけがえのない一晩となったのです。

 

そして、ブラッドが

売り飛ばされる子どもであることを知ったことから

彼は苦しみます。

 

「生きて売り飛ばされたら、地獄のような苦しみが待っている。

しかし、ブラッドを手にかけることなどできない。」

 

ランドルフが初めてブラッドと出会った

洞くつの中で話したことは夢のようなもので、

実際には現状を変えるつもりも、

変えることなどできないと思っていたと考えます。

 

ブラッドと一緒に広い世界で自由に生きるのは素敵だ。

でもムリに決まっている、と。

 

しかしブラッドが売られることを知り、

真斗演じるアルヴィンの家を出た後、

ランドルフはブラッドを探します。

 

ランドルフはこのときには

ブラッドを手にかけることを決意していたのでしょう。

しかし予期せず、ブラッドが全てを知ってしまっていた。

 

ランドルフにとってのブラッドは

忘れていた温もりを思い出させてくれた人であり、

一緒にいたいと思えた人なのです。

 

そんなブラッドの腕の中で最期を迎えたことは

ランドルフにとっては本当に幸せだったでしょう。

 

ブラッドに自分のことを忘れてほしいと言ったのも、

全てをなかったことにして、

新しいブラッドの人生を歩んでほしかったから。

 

たった一晩といえど、

ランドルフにここまでの想いを抱かせたのは、

ブラッドの純粋で優しい心のたまものなのでしょうね。

 

そういえばブラッドに対してランドルフ

「2人目だ」と言った件ですが、

1人目についてはお話の中では明かされませんでした。

 

私の考えでは、1人目はブラッドの母親だと思います。

 

トッドさん一味に加入後、

子どもを売りとばす仕事を

ランドルフはやらされていたようです。

 

そのときに何かしらの形で、

ブラッドの母親と出会い、

救われたことがあった。

 

その縁からブラッドの母親と親戚であるアルヴィンとも

繋がりができたのではないでしょうか。

 

まぁ完全なる妄想ですけど!笑

 

 

最後は一十木音也演じる、ブラッド。

 

言わずもがな今作の主人公、赤ずきんです。

 

彼は出てくる人みんなから愛されています。

 

まるで赤ん坊のように純粋な心を持ち、

誰とでも親しい関係を築いている。

これがブラッドをとりまく人々が抱く、ブラッドの印象。

 

私が思うブラッドは

確かに純粋で優しい心を持っているけれど、

自分の考えをきちんと持ち、

もっと広い世界を見てみたいと思っている。

そして人から愛されたいと願っている。

 

自分の考えをきちんと持っているというのは、

村人たちから慕われているヴィクターに対して、

割りかし素っ気ないから。

 

早々に寿嶺二演じるグレアム兄さんに

ヴィクターの文句を言っています。

 

みんなが盲目的にヴィクターを崇めているけれど、

ブラッドは無意識に自分たちを見下していることを

感じていたのでしょう。

 

そんな人々から愛されるブラッドが

なぜランドルフ固執したのか。

 

恐らくブラッドは自分を愛し、

自分と一緒に村を出てくれる人を求めていた。

 

村人たちは積極的に村を出て行く気配はない。

その点ランドルフ

自分と一緒に広い世界に出る夢を見せてくれ、

孤独な者同士、寄り添いあえると感じたのでしょう。

 

だからこそ、

信じていた全ての人に裏切られたことが辛かった。

 

自分を愛してくれていたグレアム兄さんは、

お金のために自分を売った。

 

一緒にいてくれるかもしれなかったアルヴィンは

自分のために死んでしまった。

 

そして共に広い世界に出ようと語ったランドルフ

自分を売り飛ばそうとしていた。

 

何もかも失くしてしまったからこそ、

洞くつで夢を語り合った時間を

永遠のものにしてしまいたかったのでしょう。

 

だからこそ、ランドルフを手にかけて、

ブラッドとランドルフの時間が進まないようにした。

 

またヴィクターを殺そうとしたのは、

自分を追いかけてくる可能性があるものを

全て取り除いてしまいたかったから。

 

だけどブラッドはヴィクターに撃たれたときに

「これでいいんだ」と言いました。

 

このいいんだという言葉が何を指していたのか。

 

ランドルフを自分の手で殺したことか。

ヴィクターに撃たれたことか。

 

でもヴィクターを殺そうとしたときの彼は

本気で全てを手に入れようとしていたのだと思います。

 

ランドルフと見た広い世界に出るという夢すべてを。

 

もしあそこでヴィクターに撃たれず、

ヴィクターを殺していたら

ブラッドは恐らく広い世界を探すために

二度と村には戻らなかったでしょう。

 

ラストシーンで

ブラッドとランドルフが再会しましたが、

あれは死後の世界で、

今生では一緒にいることが叶わなかった2人が、

漸く一緒にいることができるようになった

という希望と暖かさに満ちたシーンでした。

 

 

今回のリコリスの森。

 

ストーリーがとても良かったです。

 

ぶっちゃけ最初聞いたときは

赤ずきんってこんなお話だったっけ!?ってなりました。

 

でも、皆さんご存知の通り、

赤ずきんには様々なパターンがあります。

 

昔の赤ずきんって、

実は赤ずきんは助からずに死んでしまうパターンもあるんですよね。

 

そしてリコリスの森でも

 

おばあちゃん→アルヴィン

狼               →ランドルフ

赤ずきん      →ブラッド

 

と、お話上、死ぬべき人は死んでいるんです。

 

それに、赤ずきんって本来は教訓を伝えるためのお話です。

 

これにオリジナルである黒ずきんが絡むことによって、

見事に人間の欲望と赤ずきんという

お話の教訓っぷりがマッチしているんですよね!

 

このストーリーを作り出した人、お見事!!

 

そして、このリコリスの森を楽しむ際は

本当に絵本付きを購入することをオススメします。

 

耳だけではわからない、

情景が絵本を読むことによってわかります。

 

夕暮れの中のリコリスの森で迎えるラストシーンは

ドラマCDだけではわからないでしょう?

 

だからこそ絵本付き、オススメです!

 

 

今回のShining Masterpiece Show企画、

どのユニットも本当に良かったです!

 

ずっと応援しているプリンセスはもちろん、

長らくうたプリから離れていたプリンセスたちにも

ぜひ聞いてほしいです。

プリンスたちの成長が

すごく感じられる作品になっていますよ!